■レースレポート UCI グランドフォンドワールドシリーズ第6回ニセコクラシック 男子70kmAge55-59カテゴリー 安田選手

■レースレポート UCI グランドフォンドワールドシリーズ第6回ニセコクラシック 男子70kmAge55-59カテゴリー 安田選手

7月6日〜7日の2日間、北海道ニセコで開催された第6回ニセコクラシック ロードレース男子70kmのAge55-59のカテゴリー(以下NC)にPedalistの選手としてエントリーして走ってきました。

■レース名     :UCI グランドフォンドワールドシリーズ第6回ニセコクラシック
■コースプロフィール:70km 獲得標高1125m
■結果       :2:13‘50“ 年代別17位(55-59 age) UGFWSチャンピオンレース出場権獲得
             総 合 51位(Women及びNon UGFWSを除く)

コースプロフィール

【使用機材】
フレーム: Look 695 ZR
コンポーネント: Shimano DuraAce R9100
(ペダル及びリアブレーキDuraAce9000)
ホイール: Vision Metron 40SL
タイヤ: Continental GP5000  (700×23C)
ハンドル:3T Ernova 440mm
ステム: PRO Vibe Carbon (110mm)
サドル: Specialized Power ARC (155mm)
パワーメーター:「Stages」
シューズ:Specialized
ギア比 フロント50/34 リア11-28(クランク長175 mm )

【機材メンテナンス】 
Pedalist

NCは2016年から、UCIグラン・フォンド・ワールドシリーズ(UGFWS)の予選大会となり、年齢カテゴリーはボディナンバー(ゼッケン)とフレームプレートで識別され、各年齢別上位25%に入った選手だけが参加できるワールドチャンピオンシップへの切符をかけた大会にもなっていることで秋のツールド・おきなわと並び年々人気が増し、ニセコ連山、羊蹄山、尻別川の大自然の景色の中、公道を使用して走ることができることから、昨年参加したチームメイトの話を聞いたり今年は他のチームメイトも参加することから、自分も一念発起して挑戦してみました。

メイン会場にて… 気まぐれな羊蹄山は裾野だけ

【事前準備とNCに向けてのトレーニング】
今回このような全国規模の遠征はモチロン初めてでしたので、チームメイトで同じく初参加の上田さん、木川田さん(TKじゃないw)と1月のエントリー申し込み後早々に航空券と宿を手配して、遠征のスケジュールを合わせて行動を共にしました。
NCに向けてのトレーニングは、年明けから徐々に開始。
6月一杯までに62000mの獲得高度 7900kmの走り込みを行い、本格的には5月にNC対策としてしもふさクリテ、6月に富士ヒルのレースにエントリーし、自分なりにまずまずの結果で終え、普段の練習はPedalistが週末開催する朝練で短時間高強度を鍛え、また信号ストレスの無い房総にチームメイトと4月以降何回か足を運び、登りを主体に走り込み、本番に備えました。
また、Pedalistのパーソナルトレーニングメニューを山崎店長に作成していただきローラー練習とし、自分の弱いところの強化に繋げていただきました。
NC移動前には、Pedalistで機材の最終メンテナンスをお願いしてキッチリ仕上げていただき、あとは自分次第で臨むことが出来ました。

メイン会場からは少し離れてましたが、いいホテルでした。ホテルまで激坂アリw

【現地移動とレース当日スタートまで】
大会受付はレース前日の土曜日までのため、余裕を持って金曜日の正午に羽田を飛び立ち、千歳空港からレンタカーで現地入り。
前日は初めてのコースの坂を中心に軽めに試走の予定が、途中トレーニング中の山の神!森本さんが坂を流して登る速さに驚いたりしながら、ついついこちらも力が入り、車で行くはずだった会場まで自走で走ってしまい受付を済ましてしまうというw、おかげで前日にして既に登りセクション完走(汗)。
ボディナンバー、ゼッケンプレート、記念品等諸々をいただいて、一旦ホテルに戻り遅めの昼食を済ませた後、車で140Kmコースの下見に。(上田さんのためにと言いつつ自分も見てみたかったw)う~ん、凄すぎて…。
早めに就寝する予定でしたが翌日はレース後に札幌移動のため、レースに必要なモノ以外すべて車に乗せたりと思いのほか時間がかかり、23時頃やっと就寝。

前日の試走、残り20KM表示の看板にて

レース当日、4時に起床。
上田さんとはスタート時間も場所も違うのでホテルにて健闘を誓い別れて、木川田さんと私は5時45分にアップも兼ねて自走で70kmスタート地点の蘭越ランラン公園に向かいます。
服装はPedalistで新しくあつらえたビオレーサーのチームワンピに夏兼用のアームウォーマー、暑くなることが予想されるので汗戻りしないようインナーはファイントラックのスキンメッシュを着用しました。

ボディナンバーも一味違う、叶神社の御守り入れて準備万端!

ボトルはグリコCCDにマルトデキストリンを混ぜて薄めに味を調整して1本だけ、あとは給水地点で記念にNCのボトルをもらう予定で。
補給食は固形物は持たず、Meitanサイクルチャージとジェルを混ぜたモノをソフトフラスコ2本に。
会場に到着して前日TTで大健闘(年代別2位)されたチームメイトの廣瀬さんと札幌から当日入りした中村さんと合流、出走サインを済ませた後、会場で配られた完走祈願の豆大福をみんなで頬張りながら、しばし公園の芝生でマッタリと…こういう過ごし方はレース慣れしている廣瀬さん流石です。
周りを見ると皆さん速そうな人ばかりですが、今までこのNCのためにやれることは全てやって、ワクワクする気持ちでスタートラインに!
スタートは女子のカテゴリーを先頭に、年齢の若いカテゴリー(といっても皆おっさんですけどw)から各ウェーブをごとに、最後方にNon-UGFWSのオープン組(ここには本当に若い人も)。
8時10分カウントダウンの後の号砲とともに女子を先頭にスタートゲートを出て行く。

スタートの時を待つ….。

【レース開始 序盤】
スタートしても暫くは公園内の川沿いの道を進み、リアルスタートは例年5分ほどの登りの頂上辺りなので、公園内から県道に出て登りの間に多少無理をしてでも前方にと、隙間をぬってひたすら前に進んで行く。(キツくともここが最初の勝負どころ)
頂上手前で前方のスピードが一気に上がりスタートが切られたようだが、前方を確認する間もなく下りに、体重を活かして遅い人をどんどんパスしていくが、平坦直線にならないので先頭が確認できず、やっと直線になり200mくらい先の緩い勾配を上って行く30人くらいの集団が見えたので、7〜8名で飛び出して追うことに。ローテーションしながら必死に追っていくが、なかなか集団に追いつけない。(後で分かったことだが、これが先頭集団ではなく、はるか先をカテゴリーの違うオーベストの西谷選手らが先行していた模様…)
しかし、ここで追い付けないとレースが終わるくらいの気持ちでローテを回し、何とか集団の尻尾にしがみつきサイコンを確認すると50km/h前後で巡航、かなりの追い風基調と集団効果で比較的楽、このまま尻別川の河口まで一気に…。(まさにロードレースの醍醐味を味わえてチョッと感動。)
河口の橋を渡り折り返した途端猛烈な向かい風になり、集団が一気にサイクリングペースに落ちたので、ここで補給を摂りながら一息入れる。集団の中に同じ黄色のゼッケンを確認すると7〜8人は確認できた。女子も3人だけ混じっているが、廣瀬さんと同じ色のゼッケンはいないのでとりあえずホッとする。(ホッとしてる場合じゃない(笑)
まぁ、このお三方の速くてポジション取りの上手いこと、さすが全国は広い!やっぱり速い女性がいるもんですな。(感心してる場合じゃない(笑)
そうこうしているうちに、コーナーの度に結構な人数が被せてきては抜かれるが気にしない。集団が落ちついたあたりで上がれるならなるべく上がり、元のポジションを出来るだけキープする。
補給は、ここまでボトルのドリンクとフラスコのジェルをチビチビと。
ランラン公園対岸の川沿いの道に入ると、前に30〜40人以上は優にいる状態で、幅いっぱいに広がっているので抜けない。無理せずそのまま橋を渡り、ついに最初の上りに突入する。(もう黄色のゼッケンは何人か把握出来なかった。おそらく10名以上は前にいた模様)

【レース中盤 山岳】
最初の登りが70kmでは一番長く勾配が緩むまで15〜6分、登り巧者は凄まじいスピードで上がって行き、あっという間に消えていった。ここからはサイコン表示を確認しながらオーバーペースにならないように、自分のペースを維持して抜かれる度にゼッケンの色を確認して淡々と登る。(やっぱり、もっと上位に行くなら登りで勝負出来ないと話にならん。)
登りをクリアして最初の給水地点で記念にボトルを1本いただく、初めての手渡しでしたが一発で掴めた。(ボトルの水半分ほどを脚や頭にかける)
登りで完全に集団はばらけて、4名で3〜4分程度の登りを何回かこなして進む、同じ色のゼッケンの選手が1名いたのでこのまま一緒には嫌だなと思っていたら、次の登りに入る直前チェーン落ちして脱落された。(この方には最後まで抜かれなかった。やっぱりトラブルは致命的なのだろう。)
一つ目の登りを終え、長い下りに入るとナカガワエンドワッシャーのおかげで、フォーク剛性に不安なく下ることができ、基本直角カーブ以外はノーブレーキでクリアして行く。
下りきって平坦になったところで最後の給水地点、持ってきた自前のボトルに別れを告げ、2本目の記念ボトルをゲットしたところで140kmの先頭集団が追い抜いていく。(ビックネームな方ばかり、まだドンパチも始まってないのか談笑しながら走ってた。)

戦利品のNCのボトル、ブルーは去年の余りみたいw

しばらく走ると2つ目の坂が….10分程だが直登なので遥か先まで見え辛い。視線を路面に落として垂れずに登ることだけに集中して、後ろからはほぼ抜かれず数人をパス、日頃出ているレースとの決定的な違いは公道を果てしなく走ることで、単独走になると、自分の羅針盤が利かなくなることで、ペースも強度もサイコン頼りとは言え、スピードが出てない場面では、前を行く選手との差が開かないことで、自分だけじゃないんだとホッとしたり(お互い垂れてるかも知れませんがw)、とにかくキツい登りはほぼ終わったけれど、この辺りの微妙なアップダウンが一番脚に堪えました。

【レース終盤 ゴール そして…】
ゴールが近づくにつれ、ラストの5km看板を見た時キツくて早くゴールしたい気持ちと、まだ終わって欲しくない名残惜しさが交差し、なんとも言えない不思議な気持ちで脚の合う数名と単独で垂れて走ってる選手をパスしながらラストのヒラフの登りまで…。
もうゼッケンの色は頭に入らず、沿道の沢山の応援で力をもらい全て出し切ってゴールしました。

ぺダリスト+某強豪チームw無事ゴール!みなさんいい笑顔!!

レース後、疲れはて自分のリザルトを調べる気にもならず、山崎店長からもらったメールで順位が17位ということが分かり、目標のメダルに届いたか微妙な順位でしたが、正直全て出しきれて、もうどうでもよい気分。

完走証と目標だったメダルを獲得

他のチームメイトも続々ゴールして無事完走を讃え合い、見事大会2連覇を果たした廣瀬さんの表彰式をみんなで祝福した後、張り出されたリザルトを確認して目標達成を実感し、完走証、メダルなどをもらって駐車場で荷造りし札幌へ移動を開始、札幌のホテルへチェックインしてサッポロビール園へ…。(土谷さんの業績に貢献?)
苦楽のあったレースのご褒美としてジンギスカンの食べ飲み放題でチームメイトと打ち上げ!!

レース後羊蹄山をバックにチームメイトと,,,。

翌日は、仲間と市内を観光した後小樽まで移動、小樽運河辺りを散策し海の幸を堪能したかったが、何処もかしこも海外の方々で一杯。
しかたなく早めに千歳空港へ移動し、ようやく海の幸にありつき、短いようで長かった大人の遠足も無事に終わり、夜の便で無事に羽田に到着、翌朝長野に帰られる木川田さんとは、またの再会をお約束してここでお別れし、帰路につきました。

最終日は旅を満喫 小樽運河にて…。

【NCを終えて】
レースリポートを通じて、Pedalistで走られている皆さんの中で、このような全国規模のレースに出てみたいけれど、もう一歩が踏み出せないでいる方の少しでもご参考になれば幸いです。

最後にPedalistを通じて野田社長をはじめ、トレーニングや機材のメンテナンスに快く対応してくれる山崎店長、いつも様々なレースやショップライドの機会を発信してくれる福本様、そして日頃の練習に付き合ってくれるチームメイトや多くの方々にこの場を借りてお礼申し上げます。
また、こんなお父さんのわがままを許してくれ、4日間も大人の遠足を楽しませてくれた家族や快く送り出してくれた職場の連中にも感謝です。(送り出してもらった代償に連日自腹でピザパーティーさせられたのはココだけの話w)

Text 安田 満 様