【レースレポート】ツール・ド・おきなわ2018 市民レディースレース50km 廣瀬選手

【レースレポート】ツール・ド・おきなわ2018 市民レディースレース50km 廣瀬選手

■ツール・ド・おきなわ2018 市民レディースレース50km、10位

ホビーレーサーの甲子園と名高いツールド沖縄。市民レディースレース50kmにPedalistより出場いたしました廣瀬選手よりレースレポートが届きましたのでご紹介させていただきます。


■レース名:ツール・ド・おきなわ2018 市民レディースレース50km
■コースプロフィール:本部半島1周回 50km 獲得標高350m
■結果:10位 top+0’19″777(出走141名, DNF 14名)

■使用機材
フレーム RIDLEY NOAH SL
ホイール CORIMA S+
タイヤ Vittoria CORSA(チューブラー)
ステム DEDA ZERO100(80mm)
コンポーネント SHIMANO ULTEGRA 6800(ブレーキレバーのみDURA ACE 9100)
サドル ASTVTE SKY LINE VT
サイクルコンピュータ、パワーメーター Pioneer SGX-CA500
ギア比 52/34 11-28T(クランク長165mm)

ホビーレーサーの甲子園こと、多くのレーサーが一年の集大成にと挑むツール・ド・おきなわに初参戦してきました。

まずエントリーするにあたって、市民50kmか国際100kmで迷ったのですが、初参戦ということと「勝つ」という結果が欲しかったので、市民50kmを選択しました。

移動距離が長いのと、慌ただしいとトラブルも発生しやすくなるので、レース前々日の夜に沖縄入り。翌朝はゆっくり起きて12時の受付開始までの間コースを試走する。50kmしかないためコースをまるっと試走できてしまうのは何ともありがたい。自分が今できる攻撃を仕掛けられるのはどこか、また仕掛けられたら嫌なポイントはどこか、対策はあるかナドナド一応考えながら(笑)、途中景色を楽しみながら走る。

KOMも含め登りは何か所かあるものの、ペースアップして他の選手の脚を削るにはどれも短くて物足りない。アタックポイントもこのあたりだろうなと容易に想像できるくらい単調なコース。早々に逃げが決まったりすることもないと踏む。個人的には、今帰仁の登りが短いとは言え8%超の部分もあるので、ここではフロントギアをインナーに落とさなければならないことを確認、その後の楕円ギアのアウターへのシフトアップにだけ不安を残しつつ試走を終える。

毎度お馴染み、練習仲間からもらった「勝守」とシャイン・オン!キッズの「勇気のビーズ」

スタート地点まで自転車で5分の所に泊まっていたので、当日はのんびり5:30起床……が、緊張するとトイレが近くなる体質でそれにより時間を浪費、しかもいつになく酷く自覚している以上に緊張していた模様。結局バタバタしながらも暑くなる予報だったので、しっかりと日焼け止めを塗りスタート地点へ。

招集時間よりかなり早めに行ったにも関わらず既に並んでいるどころか、招集場所からスタート地点への移動まで開始している!初めて参加するレースだとこういうところの勝手が分からないのがストレスである。スタートの位置取りどころか最後尾か・・・と諦めていたら、後方の選手はあまり前を詰めずに並んでいる。どうやらあまり前には出たくない選手もいるみたいで、隙間を縫って前へ突き進む(笑)何のことはない、前から三列目まで出てくることが出来た上に、シード権の有無関係なく並んでいる。理由は分からないが願ったり叶ったりである。

いよいよスタート。

しばらくはパレードランということだったのでいつも通り静観。それでも隙間を見つけては後方から上がってくる選手が数名。危ない危ないと呟きながらやり過ごす。そして気付かぬ間にリアルスタート。合図なんて見えないし、飛び出す選手がいるわけでもなくペースも変わらなかったので、いつだったのか不明(笑)

それでも10km過ぎたあたりから、走行ラインをフラフラと変える選手がいたり、すぐ前の選手がパンクしたり、先行していた男子カテゴリーからこぼれた選手のパスが増えたりでハンドサイン多用、変なストレスが多く気が抜けない(ぶつぶつぶつ・・・・)。

そうこうしている間に、水族館前のKOMに差し掛かると一気にペースアップ!狙ってはいなかったのでそれに流されず、かといって遅れるでもなく上がる。すると半分くらいの所で大半の選手がペースダウン、元気に駆け上がっていくのはせいぜい片手。なるほど、付いていこうと勢いよく飛び出すものの最後まで付いていけるのは数名と判断、今後の作戦に盛り込む。

しばらくは大きな動きもなく距離を消化。先行する男子カテゴリーの落車で救急車が来たり、そのカテゴリーからこぼれてくる選手がドッキングしてきたりでストレスを感じることもあったが、なるべく危なくなく且つ風向きも考慮して、先頭集団前3列目あたりの右側をキープ。

ちょっと単調なレースに飽きてきたころに試走で確認した今帰仁の登りに差し掛かる。登り始めると同時にフロントギアをインナーに落とす。今回、常に前を牽いている伊藤優以選手(チームゼロウノフロンティア:昨年2位、本大会優勝)ら数名がペースアップ、それに続けとばかりに一斉に腰を上げる予想通りの展開。軽めのギアでしばし傍観するも大体どの選手も同じタイミングで垂れるのが見て取れた。今だ!とギアを上げてダンシングで彼女たちを抜き去りながら先頭まで。(心折れろ~)と胸中呟きながら(笑)。普段の練習では自分自身がいつもこれで男子選手に心折られていたので、KOMでの様子を見てやってやろうと思い立った。

どれだけ効果があったかわからないけど、そのまま先頭に出るとひとりが飛び出していく。追いかけるか否かと思っていると、懸念していたフロントギアが上がらない。3回くらいやり直して前方を確認すると、先頭交代の合図を出している。どうやら逃げるつもりはないようなので、そのまま自然と距離を詰める。しばらくはローテーションでと思うも上手く回りそうな気配がない。不利にならないよう後方へ下がる。それでも積極的に前を牽く伊藤選手は強かった。この日のプロトンで彼女の圧倒的な強さは印象的だった。

下り基調が終わり、右折で58号線に入っていよいよ最終局面。ペースが上がり、殺気立つのを感じた。そして最後の登り。これも大した登りではないのでその後の位置取りに備えて一気に駆け上がる。前方には出たものの、周りを固められてしまい身動き取れず。

残り3km。

前が開かない!このままいってしまってはスプリントに乗り遅れる。左右を見ながら隙間を探しつつ少しずつ前へ。

残り2km。

わずかに一番左歩道の縁石ギリギリのところが空いた!この瞬間身体が勝手に動いた。すかさず隙間を抜け一気に踏む!追ってくる選手がいれば少人数でのスプリント勝負だと思い振り返るも誰も来ない、何なら最後まで逃げ切ってやる!と踏み続ける。この時スピードは45km/h前後、出力は体重比5倍以上を維持。

残り1km

このまま踏み続けられるか?一瞬迷いが過ぎったが、この数か月この瞬間のために練習してきたんだ、いける!ガッツポーズでゴールラインを越える自分しか思い描いてなかったことを思い出し気力で踏み続ける。もう一度振り返ると、集団もペースが上がっていて徐々に差が縮まる。このままだと差されると判断、一旦下がることに。

残り700m。

左折に差し掛かりながらイン側に位置取りし吸収され・・・次の瞬間、すぐ右手で悲鳴と自転車がぶつかる衝撃音!落車が発生。視界の端でライトグリーンの自転車が中央分離帯の柵に向かって吹っ飛んでいくのが見えたと思ったら、自転車が2台横滑りでこっちに突っ込んでくる、やばい!瞬時に歩道縁石ギリギリまで寄り減速、運よく衝突は免れたものの、足は着かないまでもほぼストップ。慌てて再スタートするも視線を上げると前方では既に数名でスプリントが始まっていた・・・。

終わった。声になっていたかどうかは分からないけど確かにそう呟いた。

あとはただ走ってゴール。沿道の応援に何となく腰を上げてみたものの、スプリントする相手がいるわけでもない虚しさから、すぐに腰を下ろしゴールラインを越える。

順位も分からないまま計測チップを返していると、先に市民50kmのレースをゴールしていたPedalistの野田社長が出迎えてくれてお互い無事の完走を労う。そう、無事に完走できた。最後の最後で起きた落車に巻き込まれず無事に走り切った安堵しかなかった。

もちろん勝てなかったことは悔しい。でも、このレースに挑むにあたって練習してきたことすべてをぶつけられたし、挑戦もできた。最後のアタックは掛けるのが早いという御意見もあるでしょうが、自分の中ではあの場面しかなかったし、あそこでやらなければそれこそ間違いなく後悔していたと思う。勝てなかったのは練習不足でも技量不足でもなく、勝利の女神が微笑んだのが自分ではなかっただけと思えるくらい、満足のいくレース内容だった。
後々思い出すのは落車のシーンだけ(この晩の夢にでも見るくらい)でしたから・・・。

今回特にこのおきなわという大舞台に挑むにあたり、3週間前に出場したジャパンカップで何も出来ないで終わったことを踏まえて、常日頃のサポートに加え実践的なスキルを上げて頂き、またそれにより大きな自信を持たせてくださったPedalistの山崎店長には感謝してもしきれません。改めてこの場をお借りして御礼申し上げます。

また、今回もたくさんの応援ありがとうございました。来年はリベンジの50kmかステップアップの100kmかは今後の頑張り次第で決めていく所存でございます。

それも含めて、まだまだたくさんの挑戦をしていく予定でいますので、応援と言わず一緒に楽しく挑戦してくれる仲間も募集中です(笑)

最後に、このレースで怪我をされた多くの選手の早期回復を心よりお祈り申し上げます。

Text 廣瀬選手


優勝を狙って沖縄入りしただけに、落車回避などのトラブルなどはありましたが無事10位完走。本人には悔しい結果と思いますが、ホビーレース(ロードレース)の全国大会といっても過言ではないツールド沖縄。出場する各選手がそれぞれの思いを胸に集まっているだけに簡単ではありませんが、来年への宿題としてぜひまた良い結果を勝ち取っていただければ幸いです。

どちらのカテゴリで出場するかもご本人の胸のうちではあると思いますが、どちらにせよ今年の悔しさを晴らしてくれることでしょう!

また、廣瀬選手のレース参加にあたっては、Pedalistとしてパーソナルトレーニングメニューを作成しサポートをさせていただいております。

お客様の目的に合ったメニューを作成し、トレーニング後のデータをフィードバックしながら二人三脚で目標に向かっていくお手伝いをさせていただくサービスです。

レースやヒルクライムイベントなどでのリザルトアップの目的等はもちろんですが、もう少し脚力をつけて仲間から遅れないようにしたい、スピードをつけていろいろなグルメスポットを巡りたい等々、ご依頼いただく目的は様々です。

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