【レースレポート】UCI GRAN FOND WORLDS SERIES NISECO CLASSIC 2018 女子 廣瀬選手

【レースレポート】UCI GRAN FOND WORLDS SERIES NISECO CLASSIC 2018 女子 廣瀬選手

■レース名:UCI GRAN FOND WORLDS SERIES NISECO CLASSIC 2018

■コースプロフィール:70km 獲得標高1125m

■結果:2:08‘23“ 年代別優勝(40-44 age)、総合 5位、新見KOM(40-44 age)

 

■使用機材

フレーム     RIDLEY NOAH SL
ホイール     CORIMA S+
タイヤ        Vittoria CORSA SPEED
ステム        DEDA ZERO100(90mm)
コンポーネント    SHIMANO ULTEGRA 6800(ブレーキレバーのみDURA ACE 9100)
サドル        ASTVTE SKY LINE VT
サイクルコンピュータ、パワーメーター    Pioneer SGX-CA500
ギア比        50/34   11-28T(クランク長165mm)

NISECO CLASSICは、各年齢カテゴリー上位25%がアマチュア・ロード・ワールド・チャンピオンシップへの出場権が得られるUCI GRAN FOND WORLD SERIES(UGFWS)という世界戦シリーズの国内唯一のレース。
また、日本では数少ない公道を使ったロードレースということで、一度走ってみたかったレースに参戦してきました。

初参加のレース、見知らぬ土地、練習仲間はみな140kmカテゴリー出場で別行動だったので、余裕をもって金曜の夜には現地入り。

翌朝はスタート地点までの15kmのルートを確認しに。山から広大なじゃがいも畑を抜け小さな町をひたすら下り基調で。レース前の移動が下り基調なのは嬉しい限り。スタート会場の蘭越ランラン公園を確認して来た道を戻る・・・あ!ひたすら登りじゃないか!!午後の試走に向けてあまりTSSを溜めたくなかったが、下ったのだから仕方ないと軽いギアで回す。

ホテルへ戻り受付のため車でメイン会場へ。受付もサッと終え、その後はアマチュアのトップを牽引する強豪チームの方達の試走に誘っていただいていたのでワクワクしながら(ただの試走なのに(笑)時間を潰していたのだが、予定が合わず急遽キャンセル・・・ひとりゴール付近のコースを試走(レース並みに楽しみにしていたので残念)。

ライダーズミーティングも済ませ、ここでようやっと練習仲間と合流、30時間ぶりくらいにようやっと人と会話をする(笑) どさくさに紛れて夕食も混ぜてもらい、美味しいものをいっぱい食べて既に終わった感満載で宿へ戻り、ゼッケン、補給食等々の準備を終え23時就寝。

練習仲間からもらった「勝守」と「勇気のビーズ」

☆シャイン・オン!キッズ

チーム・ビーズ・オブ・カレッジ

5:30起床。2日前までは雨予報だったが前日から好転、移動用のウォーマー類を薄手の物に変更する。

この時すでに140kmを走る仲間たちはスタート地点に立っているはず・・・と思いながらあんドーナツとゆで卵を2個ずつ食べる。

6:45ホテルを出発。30分も掛からずに会場に到着、検車と出走サインを済ませ、もう既にいっぱい並んでいる後方にバイクをセット。この時たまたま自分の後ろに並んだ女性に目を向けるとなんと、昨年の沖縄チャンピオンの盛永選手(F(t)麒麟山Racing)じゃないですか!思い切って声を掛け、御挨拶をさせていただく。

特に何するでもなく時間が過ぎ、8:10スタート。

3kmはローリングスタートということなので、様子見ながら前目に位置取りしていこうとのんびり構えていると、公園を出る前から後方スタートのover 50の男子の一部選手が殺気立って上がってきて怖い。公道に出てカーペーサーに合わせて走るがローリングとはいえ決して遅くはないペースに自然とふるいが掛かり先頭集団が絞られる。そのまま男女ごちゃ混ぜの20~30人くらいの集団で20km以上平穏無事に進む。この時点で同じカテゴリーの選手が一人だけだったので、後方から常にチェック。

25kmあたりで後ろの集団に吸収、一気に大集団になる。ここで自分より前にいる女子選手の人数を見誤る。程なくして大きな登りがスタート、一気に集団が崩壊。周りのペースを確認するも脚の合いそうな人もおらず、とにかく先頭がどうなっているのか気になっていたので、ここは自分のペースで隙間をぬって前へ出る。この時同カテゴリーの選手を全てパスする。先頭と思しき小さな集団に米田選手(MOPS)、藤村選手(MOPS)、榎本選手(MIVRO)を確認、後方に付く。下りになると男女問わず置いていかれるいつものパターン。でも今回はちょっと違った。いつもは下りが苦手でペースを落としている結果なのだが、流石は北海道。道幅が広いのとカーブもあまりきつくないので苦手な私でも攻められ、まさかのギアが足らなくなる事態!コンパクトでは回し切ってしまったのだがこればかりはどうにもならないので、登りでがんばりましょ作戦(いつも通り(笑)。

ここからはアップダウンの繰り返しで、登りで前目に出ておいて、下りで後方に下がるの繰り返し。前方を常にキープする米田選手に、自分を含めた3選手が抜きつ抜かれつで付いていく展開(男子選手も数名含む集団)。このままでいけば総合の表彰にも絡める位置にいると思い維持(後でわかったのだが、さらに前方で今レース優勝の手塚選手(IMEレーシング)が独走していた模様)。

街へ出る前の最後の大きな登りでじわじわ前へ出る。周りがインナーで登ってるところをアウターのままグイっと登り少し差をつける。しかし登りきったところで身体に異変が・・・心臓が苦しい。不整脈が1発2発入ったような感覚、2回ほど息を止め何とか耐えるが苦しい。脚は止めずに惰性で回すも前に進まない・・・そんなしていたら、スタート地点でナンパした(笑)盛永選手が後ろから上がってきて「一緒に行きましょう!」と背中に触れ励ましてくれる。涙が出るほど嬉しかったけど付いていけなかった・・・。もうこの時点で総合の表彰争いには絡めないと思い、それなら彼女に勝って欲しい!と、前に3人いる(実は4人だったのだが)ことを伝えようとしたが、頑張って!というのが精一杯だった。

残り10km弱、すーっと体温が下がる感じがして脚が動くようになった。この間たかだか5分くらいだったと思うが、とてつもなく長い時間に感じた。そこからは大丈夫何とか走れそうだと思い少しずつ踏み直す。しばらくすると男子選手5人ほどのパックが来たので乗っかってみた。カテゴリー違いだしもうゴール目前だったので邪魔かなぁと心配したが何も言われなかったので乗車させてもらう。ゴール手前最後の登りが始まる直前、男性陣のペースが落ちたのでひとり飛び出す。もう完全に単独だったのでインナーに落とし確実にゴールを目指す。すると残り150mのところで藤村選手をとらえパスするも、最後に捲られない様全力で踏み続けゴール。

Photo by Takuma Nishiyama

初参戦で目標にしていた年代別優勝することができ、また世界戦への切符までも手に入れることが出来て、正直出来すぎかなと思っています。

日本では数少ない完全公道のロードレース、街からスタートして山岳に入り街に戻ってくる、途中の補給エリアではたくさんのボランティアの方がボトルを持って並んでいたり、車と対面ですれ違うエリアがあったり(!)、大集団になった時には後ろの人のブラケットがお尻に触れるくらい密集していたり、走りながら雑談したり(笑)、テレビで見たロードレースそのもので本当に本当に楽しいレースでした。いつかオープン参加で140kmに出てみるのもいいなと思った次第です。

今回このレースに参加出来たのも、いつも手厚いサポートをしてくださるPedalistのスタッフの皆さん。いつ何時もアドバイス・応援してくれる練習仲間や友人たち。趣味のために仕事を休ませてくれる上司・同僚の皆さん。こんな歳になって無茶をするお母ちゃんを、文句ひとつ言わず送り出して留守番してくれる主人・子供たち家族には感謝してもしきれません。この場を借りて御礼申し上げます。

持ち帰ったアルカンシェルを見た主人が「サガンとお揃い???」と言ったのはココだけの話です(笑)

Photo by Ken-ichi Yamamoto

Text 廣瀬選手

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