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【レースレポート】ウインターシリーズ第3戦 伊豆ベロドローム

トラックレースの「ウインターシリーズ第3戦」に参戦いたしました。

会場は2020年の東京オリンピック、自転車競技開催地でもあります伊豆ベロドロームでした。

ロードレースにおいては冬場はオフシーズンですが、トラックレースは今がホットシーズンで、ワールドカップも現在開催されております。

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日本には職業として「競輪」がありますので、全国に50か所あまりの競輪場がありますが、世界基準の250m周長のバンクはここ、伊豆ベロドロームのみとなります。

このウインターシリーズは、いわばトラックレースの競技者を増やすための普及大会として、静岡県自転車競技連盟の主催で行われております。

スクールに来ている高校生の走りをチェックしたかったことと、オリンピックの会場で走れるとあって参加しました。

今回は1000mのタイムトライアルにエントリーしました。

トラック競技の中でも最もシンプルな種目で、1kmを何秒で走れるかを争う競技となります。そのシンプルさゆえに、テレビで放送しても面白くないという理由から、オリンピック種目からは除外されてしまいました。

この1000mタイムトライアルのタイムはFTP測定と並んで自転車競技者の偏差値的な数値と思います。

競輪学校の試験もこの1000mタイムトライアルのタイムをもとに合否が判断されます。

スタートの加速力、トップスピードを維持できる持久力、1分と少しで終わってしまう中での集中力と、シンプルですがいろいろな要素の詰まった種目です。

機材はこちら。

日本が世界に誇る自転車メーカー、ブリジストンアンカーの競技専用ピストバイク 「PHM9」です。

私が高校生の頃2007年に父親に買っていただいたフレームです。思えば10年選手ですが大切に乗り続けております。

1kmTTでは空位抵抗が少ないフォームがとれるように、DHハンドルを使用することが出来ます。ドロップハンドルで出場する人もおります。

ホイールも空気抵抗の少なさを重視して、ディスク形状のホイールを使用します。

ディスクホイールの利点として分かりやすいのが「卵の泡だて」で、泡だて器でかき混ぜると抵抗が多く、良く撹拌出来ます。これがスポークホイールのイメージです。反対に滑らかなおたまの底で混ぜてもであまり泡が立ちません。ディスクホイールの抵抗少なさもこれと同じです。

伊豆ベロドロームは室内競技場で風の影響がありませんので、前輪もディスクホイールを使用することもあります。

また、ギアが一つしかついておりませんので、その日のコンディションや種目により何種類かのギヤを組み合わせて使用します。ギヤ選びで勝負が決まることも少なくありません。

普段はバンクに入って練習できる機会があまり多くありませんので、レース前と合間の指定練習時間を利用して、機材とフォームの確認を行います。

速い選手の写真や動画を参考にトレーニングルームの鏡をみながらセッティングをして臨みました。

前面投影面積は少なくなりますが、このフォームを維持するのは大変ですね。

綺麗なフォームはある程度のフィジカルトレーニングの上にあるもので、ただ真似るだけではモノにすることはできません。これはロードバイクにも言えることだと思います。

前面投影面積でいうと、顔の向きだけでも大きく出力に影響します。

上の写真が正面を、下の写真は伏せております。公道ではご法度ですが下を向いた方が空気抵抗が抑えられますので下の写真の方が理想的なフォームといえます。

レース前にはしっかりとウォーミングアップをします。

というよりもこのアップの出来でタイムの良し悪しが決まるといっても過言ではありません。

本番は1分と少しですがアップは1時間以上かけてじっくりと行います。

30分前には終えるように計算しております。出走直前は血の巡りが良くなるようにギリギリまで回しておきます。

ちなみにコンビニ休憩あけの脚のだるさはと回らない感覚は、脚に血が巡っていないために起こります。

スタートは専用の発走台より。

計測のカウントダウンと連動しており、カウントがゼロになるまでホイールが固定されるのでフライングが極力起きないような仕組みとなっております。

緊張が最高潮に達するときです。

3.2.1と、カウントダウンに合わせて腰を引き、勢いをつけてスタートします。

走り出し、コーナーに入るまでに勢いをつけバンク角に負けないように踏み込んでいき、返しのコーナー入り口まで立ちこぎでスピードを乗せていきます。

タイムトライアル中の最高出力も最初のコーナーに入るまでの地点でした。

腰を下ろしてからは、体勢低くDHハンドルを握っていきます。このフォームを保ちつつ、角度のきついコーナーをいかに捌けるかがポイントですが、今回は外に膨らんでしまって走行ラインとしてはダメダメでした。

ここまでにスピードのせて、ここからはどうして….と、走る前にはいろいろと考えますが、走り出してしまうとほんとに一瞬で、その後には酸欠からくる体調不良に10分あまり悶絶します。

ふつうの人間が全力を出し切れるのは40秒くらいといわれておりますので、後半はほんとに目がちかちかするほどです。

ひさしぶりに全力を出し切り、きつい反面、その気持ち良さがなつかしくもあります。

タイムは1分13秒後半と、平凡なタイムに終わってしまいました。10秒台を狙っていたので残念でしたが、フィジカル的な部分はもちろんのこと、250mバンクでの走行への慣れという部分が大きいなと感じました。また機会があればチャレンジしたいと思います。

今回は新しい試みとして、ピストバイクにPioneerのペダリングモニターを装着してタイムトライアル中のデータを取りました。

面白かったのは、コーナリング中は極端に出力が下がっていたという点で、この部分の平滑化がタイム短縮に繋がるのではないかと思います。

データを参考にトレーニングメニューを作って、夏の東日本実業団トラックレースでは更に良いタイムを狙っていきたいと思います。

トラック競技というと、高校生、学生時代に部活動として取り組まなければなかなか触れ合う機会も少なく、なじみが少ないと思います。ここ伊豆ベロドロームでは国際試合なども行われておりますので、目と鼻のさきで繰り広げられるレースをご覧いただければ、そのスピードとパワーに魅了されること間違いなしです。最近では大学生の試合もレベルが上がり観戦におススメです。

学連レースの情報はこちら↓

日本学生自転車競技連盟HP

スクール生の高校生の走りも確認することが出来たので有意義な遠征でした!

また、現地に応援に来ていただいた皆様、SNS等で応援していただきました皆様、いつもありがとうございます。

今シーズンは何か形に残したいと思います。

Photo by 弊社社長 野田より、応援ありがとうございました!

担当 ふくもとでした。

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